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【亘理町】2013/9/11バイオマスプラント視察

2013年9月11日、近隣地域のバイオマスプラントを視察し、事業の参考にさせて頂くと共に、課題の洗い出しを行いました。

●山形県米沢市 大森工業

ドイツのルッケルト式乾式メタン発酵施設を設置販売している大森工業と日立エンジニアリングの共同研究事業で総額3億6000万円のプラントです。
研究事業当時は、食品残渣や鶏糞を原料としてメタンガスを取り出し、隣接するメッキ工場に熱源燃焼用として供給していましたが、今は研究事業が終わったので、発電にむけた営業許可の取得を待っているという状態でした。

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(廃工場内に設置されていました)

ドイツのルッケルト方式はヨーロッパで100件以上の稼動実績があり、日本国内における独占販売権を大森工業が持っています。
平成23年に新潟県村上市 瀬波温泉町で民間施設1号機が完成し、FIT(再生可能エネルギー固定買取制度)において、メタン発酵で国内第1号認定を受けました。多用なニーズに対応できるプラント作成ができる事と、既に国内で認定されたプラントを作っている事から様々なノウハウをお持ちですし、国内実績があることで、関係各所への説明や信頼性も高いと考えられます。

下記は、メタン発酵させた後の廃棄物を固形肥料と消化液(液肥)に分別する機械で、想像以上に小型化されたものを使っていました。

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●白石市の生ゴミ資源化事業所を視察させて頂きました。
(宮城県白石市)

学校給食センター、公立病院、旅館、事業所及びモデル自治会などから排出される生ごみを資源として活用し、バイオ技術処理で発生するガスを新たなエネルギーとして利活用しています。
生ごみの最終処分に際しては、従来焼却場で処理していましたが、地球温暖化やダイオキシン対策等を勘案し、別な処理方法を模索されていました。

当施設は温室ハウスを隣接し、栽培を通じて児童生徒への食農教育、総合学習及び市民の生涯学習に資すると共に、ごみ減量化、環境負荷の軽減及び食料自給率の向上に係る市民意識の向上を図ることも目的としています。

搬入された生ごみ(3t/日)は、スラリータンク内で同量の水と撹拌されスラリー状態(泥状)となります(6m3/日)。
スラリー状態となった生ごみは10日間かけてメタンガスと炭酸ガスからなるバイオガスを発生します。(480m3/日)。
バイオガスはガスホルダに溜められ(100m3)、発電用のマイクロタービン内にて高速で燃焼し、タービンを回して発電(30kw/h)します。
また、発電により出る排気の熱を利用し、排熱ボイラで温水を作っています。
電気は施設の使用電力の20%程度をまかない、温水は温室と給食センターへ供給されます。
排液は、排水処理槽にて、浸漬膜活性汚泥法により下水道放流基準に合わせ処理します(6m3/日)。
最終的に残った固形分は、投入量の3.2%、含水率は85%で、焼却処分しています(残留油脂、塩分の問題から堆肥とはなりません)。

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       ガスバルーン

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       発電エンジン

地域内の企業との連携や住民への教育といった観点から参考になるモデルと考えており、今後もご指導いただきたいと考えております。

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