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2012/12/21北海道鹿追町-バイオガスプラント視察

宮城県亘理町で地域再生に関わる検討会議で、バイオマス発電を核にした地域再生モデルを検討しております。
バイオガス事業は、全国各地で行われておりますが、先進的かつ大規模な施設である北海道の鹿追町にある鹿追町環境保全センターへ視察させていただきました。

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国内最大のバイオマス循環利用施設ということで、敷地面積は51500平方メートルと広大でした。平成19年10月より稼動を開始し、建設費は17億4500万円。(プラント部分は8億5000万円)。
鹿追町の人口は約6000人ですが、牛が2万9千頭います(乳牛が1万9千頭、肉牛も1万頭)

この地域は然別湖を中心とした観光客が年間73万人くるという町でもあります。
当初の目的は、糞尿の臭気が観光客に悪影響を与える事から糞尿処理を目的としたバイオガスプラントを建設されました。

バイオガスプラントの大きな流れとしては、
1、牛舎からの原料回収、受入れ。
2、原料槽での処理。
3、バイオガスプラントでの発酵処理。
生成物としては、発電およびスラリーストアと呼ばれる消化液貯留槽での貯留後に出す液肥。
牛糞以外にも事業者や一般家庭から回収した生ゴミ、下水汚泥を処理して堆肥を生成しており、広範囲にわたる処理施設となっています。

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一般的なバイオガス施設では、液肥の臭気がひどく、農園などに散布しても臭いがすごい上に、輸送・散布まで考えると、コスト高となっている事が多い中、この施設の液肥は、ほとんど臭気が無い上に、地域との連携により比較的安価に提供されていました。
また、自治体や研究者等らの視察も多く、昨年度に研修ハウスも設立され、大規模な先行事例として注目されています。
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余剰エネルギーにてハウス栽培のテストや、自動車燃料テストも行っておられます。

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下記のアドレスをご参照ください。
●鹿追町環境保全センターバイオガスプラント

http://www.town.shikaoi.lg.jp/machizukuri/seisaku-keikaku/kakusyu-sengen/kankyoubikasengen/kankyouhozencenter/biogasplant

現在は再生可能エネルギーの買取制度のおかげで、バイオマス発電も注目され始めておりますが、太陽光発電や風力発電、地熱発電とは違う課題が多くありました。
特に、事業自体の収益性も大事ですが、地域住民や地域関連施設を含めた連携をどのように深めていくかという点において、勉強させていただきました。

寒冷地でのバイオガスプラント稼動についての苦労や課題を含め、貴重な現場の意見を頂きましたので、参考に取組んでいきたいと思います。

施設に対する技術的課題、プラント建設会社の思惑、自治体の目的と運営課題、地域住民や施設との連携等々、様々なご指導を有難うございました。

●視察メンバー
森本新士、阿部慎一郎、石澤直士、須田憲和。(敬称略)

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